お知らせ

vol.59 使用水の管理とクリプトスポリジウム

2001/04/27 アーテック倶楽部ニュース

お花見の季節も終わりを迎え、新緑がまぶしくなってきました。
天気の良い日は外で散歩するのもいいですね。
さて今回は調理に使用する水とクリプトスポリジウムについて考えてみましょう。

●さて、今回のテーマは・・・

使用水の管理とクリプトスポリジウムについてです。

大量調理を行う上で、食中毒を発生させないように衛生管理に気を付けているかと思いますが、以外と見逃してしまいがちなのが調理に使用する水の管理です。水は実に様々なところで使用するものですが、もしその使用水が汚染されていたら??? 使用水の管理を見直してみましょう。

<大量調理施設衛生管理マニュアルでは・・・>
始業前と調理作業終了後に使用水の検査を行うよう指導しています。

●検査項目

  • 濁り
  • におい
  • 異物
  • 遊離残留塩素0.1mg/リットル以上

井戸水・貯水槽を利用している施設については、さらに注意が必要です。
水道事業により供給される水以外(井戸水等)を使用する場合には、半年に1回以上水質検査を行うこととなっています。
また、貯水槽は1年に1回以上の清掃が必要です。清掃した、という証明書は1年間保持しなければいけません。
水による感染症・食中毒で近年話題になっているのがクリプトスポリジウムによる感染です。

日本では1994年に初めて感染が報告されました。
病原性原虫“クリプトスポリジウム”とは、原虫の中でも小型の仲間で、直径4~6μ mの大きさで、ほ乳類の腸管に寄生しており、糞便とともに排泄されます。
それが何らかの原因で水道水の中に混入し、感染を引き起こします。日本では幸い水道水からクリプトスポリジウムが発見されることは少ないそうですが、欧米では水道水を原因とする集団感染の原因微生物としてよく知られています。

<クリプトスポリジウム>
●感染源 糞便を介した感染人や動物の糞便により汚染された水や食品を介しての感染 (いずれも経口摂取による感染)
●特徴 塩素剤に強く、通常の水道水の塩素では死滅しにくい。
<クリプトスポリジウムの形態>

●人への影響 感染した場合、水溶性下痢、激しい腹痛、吐き気、おう吐一般 の健康な人は感染後4・5日から1週間で症状が消失しますが、免疫力が低下している人では、重傷化、長期化する場合もあります。

特に2歳以下の子どもに感染や 発症が多く、年齢が進むとともに感染は減少する、とのことです。
●潜伏期間 4~5ないし10日程度

●対処方法 熱に弱いため、75℃1分の加熱で死滅します。また、乾燥にも弱いため、1~4日乾燥させた状態では感染力を失います。
※毎日使用している水でも、常に注意が必要ではないかと思います。

■4/29~5/6の間、アーテック倶楽部事務局は、お休みさせていただきます。