お知らせ

vol.39 焼いても食えない?!O-157

2000/06/09 アーテック倶楽部ニュース

アーテックニュース倶楽部事務局より

緊急
みなさま、6月に入り食中毒が発生しやすい季節になりました。
今回のアーテック倶楽部ニュースでは、最近新聞で取り上げられた
“焼いても食えない?O-157”と“調理用塩ビ手袋禁止”
という身近なトピックを取り上げ、実験結果などを交えながらご紹介したいと思います。
(事務局 山崎)

毎日新聞 5月29日 朝刊の記事へリンク

記事のポイントは『表面温度』です。ホットプレートで「ふた」をしないで焼くと、ハンバーグの芯温が75℃に到達していても、表面温度は75℃まで上がらない…つまりO-157が生きている可能性がある!ということです。

実際に大量調理施設では、ハンバーグは、釜で煮込むか、オーブンで焼くのが一般的です。オーブンで焼くときに、「ふた」をした効果があるか?つまり芯温75℃、1分間の加熱をした場合の表面温度はどうなっているのだろう?ということを検証してみました。結果はこのようになりました。

(単位:℃)

上段ハンバーグ中段ハンバーグ下段ハンバーグ
908891
909083
938691
847984
908686
948792
898291
837884
898478
平均89.184.486.7

<実験方法>
使用食材:出来合いのハンバーグ×3個
使用機器:スチームコンベクションオーブン10段式
(服部工業製)
設定温度:250℃
設定モード:コンベクションモード
芯温75℃に達した後、1分間加熱。表面温度を中心1ポイント、表面周囲4ポイント、側面4ポイント、合計9ポイント設定し、非接触温度計を用いて表面温度を測定。
<ハンバーグ実験の考察>

スチームコンベクションオーブンを使用した場合は、全ての測定ポイントで、表面温度が75度以上に上昇していることが確認されました。スチームコンベクションオーブンの場合はホテルパンにハンバーグを並べ、扉を閉めて加熱するため、「ふた」をしたのと同じ効果があることが検証されました。

皆様の中でオーブンを使用している方は、これでハンバーグを安心して調理することができると思います。

また、記事発表した東京都立衛生研究所にも、同様の検証実験の依頼を試みようと考えていますが、実現すれば続報でお知らせします。
さて、話題は変わりまして、皆様もうすでにご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、塩化ビニル製調理用手袋から溶出されたのでは、と疑われている内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン:フタル酸エステル類)が食堂の定食や病院食から検出された、という記事が掲載されました。さらに厚生省は原因とみられる塩化ビニル製手袋を調理用に使用することを禁止する方針を固めました。

これらの新聞記事と塩化ビニル製手袋に代替する手袋について見てみたいと思います。
病院食から環境ホルモンの新聞記事へリンク(毎日新聞 5月)
(塩ビ製以外の手袋の紹介)

調理用手袋は塩化ビニル製以外にどのようなものがあるのでしょうか。

�ポリエチレン手袋:使いやすく安価です。

�ポリオレフィン樹脂製手袋:手にフィットするタイプで、とても使いやすいです。焼却による有害物質は発生しません。

※上記調理用手袋の詳細はフリーダイヤルにお問い合わせ下さい。

(次号予告)

◎米国FDAが野菜の洗浄に電解水を認可!日本では?

◎アメリカでは野菜の殺菌消毒は放射線が常識?

◎次亜に代替する殺菌消毒方法にはどんなものがあるの?

◎調理用手袋の詳細説明とその後の新聞記事。

また、最新情報など入りましたら盛り込んで行きたいと思います。

皆様のご意見、ご感想お待ちしております。