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お知らせ

vol.38 次亜塩素酸ナトリウムによる殺菌及びアンケートまとめ

2000/05/26 アーテック倶楽部ニュース

会員の方から、投稿いただきました!

「次亜塩素酸ナトリウムによる野菜の殺菌について」

ケータリング会社勤務
衛生管理担当 管理栄養士 渡辺百合子

私は、飛行機の機内食を提供する会社に勤務する衛生管理室で働いています。
今回「次亜」についての特集を読み、数年前、実際に経験した国際線の機内食で海外の顧客のAudit(監査)を受けた時のエピソードをお話したいと思います。
O-157事件直後の話ですから、まだ日本に「HACCP」がそれほど認知されていない時期でしたが、欧米では、「HACCP」というものが当然となっており、この視点での監査を受けたのです。
監査官から、生野菜の殺菌濃度について質問を受けました。
塩素濃度200ppmであると答えると、高濃度すぎるのでNG(不合格)だと指摘されました。「大量調理施設の衛生管理マニュアル」を取り出し、日本の厚生省の指導に従った濃度である旨説明すると、監査官は渋々そのチェック項目に合格を付けてくれました。監査官は、「欧米人はsensitive(感受性が強い)なので、200ppmには耐えられない」と言われました。それを聞いて「日本人は鈍感ということなのか??」と当時は首をひねったものです。
しかし今、HACCPの危害要因分析をする時、ケミカルハザード、つまり化学的危害(化学薬品の残留やアレルゲンなど)への配慮については、日本人は確かに鈍感なのかもしれないなと思うようになりました。
この監査後、塩素濃度の見直しを行うため、文献を調べたり、自社検査室にて塩素濃度を変えての実験を行ったりもしたが、思わしい答えは得られませんでした。
多種類の野菜アイテムがある上、同じ野菜でも固体差が大きいことを考えると、一律の基準が適用できるのか??そもそもどこまで菌数を減少させれば、充分な効果があったといえるのか??という色んな壁が出てきたのです。とはいえ生食用野菜を殺菌しないで使用するわけにはいかないので、思考錯誤の末、<100ppm10分>の方の指導基準に従うことにしました。
こうして、その効果に疑問を残しつつ、他の殺菌手段がないためにジ亜塩素酸ナトリウムを使い続けている次第です。
それから、重要なのが「次亜」使用後の水洗いです。臭いや変色がないように塩素成分を洗い流していると思われがちだが、これは品質上の目的だけではありません。
次亜塩素酸ナトリウムは食品添加物ではありますが、それゆえ正しい使用量・使用方法を守る必要があり、誤った使用は化学的危害になる可能性が考えられます。水洗い不足等で残留した塩素成分が健康に及ぼす影響についてどの程度研究されているかは分からないですが、体内に摂取される量は極力少なくあるべきなのです。
「次亜塩素酸ナトリウムの野菜への使用」はHACCPでいう「生物的危害」を防止する目的であるが、同時に「化学的危害」を引き起こす可能性が発生すると思いませんか?

布巾やまな板の黄ばみは、ジアンでほとんどの方がとれているようですが、わずかに落ちない、という方がいました。
ジアンを使用しても布巾やまな板の黄ばみがとれないのは、表面に付着している肉片や、血液、脂肪、でんぷんなどの有機物が有効塩素と反応して、殺菌力・漂白力が低下してしまうからです。そうなると二次汚染の危険が出てきます。消毒前によく洗浄しなければいけません。

以上より、次亜塩素酸ナトリウムは、使用において注意が必要であり、その効果を充分に発揮させるのが難しい薬品と言えるのではないかと思われます。
では、次亜塩素酸ナトリウム以外には
どのような殺菌消毒剤があるのでしょうか?
�ジクロロイソシアヌール酸
次亜塩素酸ナトリウムより手荒れが起きにくく、殺菌 力も強いそうです。

�強酸性水
水を電気分解して、低いpHの水を作ります。希釈
の必要はありません。一定して同じ濃度の強酸性水が出てくるので、作業の効率UPになります。
(しかし強酸性水で食材を洗うことは厚生省では認められていません。)

�食材洗浄水生成装置
いわゆる次亜塩素酸ナトリウム水溶液を希釈なしで水道水のように生成することができる機械です。希釈をしなくても良いので、手間もかかりませんし、次亜塩素酸ナトリウムの原液を扱うことがないので、安全です。

�逆性せっけん
殺菌力が強く、においもないため、手や調理器具、冷蔵庫、布巾などの殺菌消毒に向いています。しかし、毒性があるため、食材には使用できません。

※上記についての詳しいことはフリーダイヤルにお問い合わせください。
また、「こんな殺菌洗浄方法があります!」という情報も頂けたら幸いです。