お知らせ

vol.34 トイレの衛生について

2000/03/24 アーテック倶楽部ニュース

連載★ HACCPこわい!?食品安全再点検★
今回は「トイレの清潔」と「木製品、竹製品の衛生」に関する解説です。トイレのきちんとしていない厨房はお客様に料理を出す資格が無いばかりか、そもそも保健所から営業許可が下りない時代となりました。
—–「トイレの衛生管理」—–

個人の家でも、主婦がきれい好きかどうかは、トイレを見れば解ります。ましてインテリアの美しいレストランに入ってトイレを使った時、便器の周りが水浸しになっていたり、トイレットペーパーの屑が散らばっていたり、揚句にいやな臭いが…とくれば出てきた料理の衛生状態までが疑われても仕方のない事でしょう。

トイレの中では、手はもちろん、足もはきものも着衣も細菌に汚染されるものです。

よって、厨房スタッフが使用するトイレは「専用」とし、他の不特定多数の人々が使用してはいけないことが「労働安全衛生規則630条」に定められています。設備的に別に作ることが出来ない場合でも、最低限2個所ある便器のうちの一つをスタッフ「専用」として他の不特定多数に使わせないように仕切りを設ける工夫をしないと保健所の承認は得られないでしょう。

これは、喫食者の中に伝染病患者や保菌者がいた場合、調理スタッフに感染するのを防ぐためです。

そして専用トイレには以下のことを最低限整えておかなければなりません。

  1. 厨房内に手洗設備があっても、トイレを使用したときにはトイレの手洗設備を使わなければなりません。
  2. せっけん・逆性せっけん・爪ブラシ・手拭きペーパー又はロールタオルを備えておかなければなりません。切れることの無いよう毎日点検補充しましょう。
  3. トイレに行くときは、はきものの他に白衣や前掛けを脱いでゆくことが理想的です。よって、そのための場所が必要です。
  4. 清掃は調理スタッフ以外の人が毎日行うのが理想的です。人手が少なくてそれがかなわない場合には、清掃後の手の消毒、着替え、はきものの交換を必ず行うシステムとしなければなりません。また、水道の蛇口は必ず消毒液で洗いましょう。

—「木製品、竹製品の衛生」—

おひつ、しゃもじ、菜ばし

炊き上げたごはんの水分を適当に吸い取って、冷やさないようにするのにおひつは大変重宝な什器すが、お客の目に触れやすいところにおきますから、いつも木目美しく磨いておきたいものです。

おひつは使うときに濡れていては役に立たないし、匂いがつきますから、常に保管時から乾燥させておくことが大切です。

消毒は、他の木製品と同じに次亜塩素酸ナトリウムの溶液(消毒の項で以前説明しました。)を使って下さい。

外側をいつも真っ白にするには、クレンザーに次亜塩素酸ナトリウムを加えてタワシでこすると良いでしょう。この時、手袋を忘れずにしてください。こうして洗ったあと、おひつのタガが金属である場合には、入念にすすいで下さい。腐食してタガが切れてしまうのを防ぐためです。

しゃもじ、菜ばしも基本的には同じ方法で管理します。

ざ る

ざるは、竹製、金属製、プラスチック樹脂製といろいろなものが大きさ・形・使用目的によって用いられています。うどんやそばを茹でるとき、千切りキャベツを水切りするとき、スパゲティを茹で上げるときなど、数え上げればきりがないくらいに毎日活用されています。

でも、その消毒法と言えば、流水で洗うだけということがないでしょうか?

(参考資料:食品衛生早わかり/牧野権一著/柴田書店刊 )

3/7~10まで開催されました、ホテル・レストラン・ショーには、多数のアーテックのブースへのお立ち寄り、ありがとうございました。今後も情報発信をしてまいりますので、ご意見ご提案をお待ちしております。