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vol.217 アクリルアミドについて

2008/03/21 アーテック倶楽部ニュース

だいぶ暖かくなって、過ごしやすい気温の日が多くなってきましたね。桜の季節も目の前です。
気象庁から発表された情報によると、今年の桜の開花は平年なみで3月末には咲き始めるそうです。
きれいな花が見れるのがとても待ち遠しいですね。

◆アクリルアミドについて

でんぷんを多く含む食品を高温で調理することによって発生してしまう発ガン物質「アクリルアミド」。2002年に発表された際は、ポテトチップスから発ガン物質!!などと世間でもセンセーショナルに
取り上げられました。それ以来、日本を含めた世界各国・地域で、アクリルアミドに関する研究などが行われてきました。そして最近、食品から摂取するアクリルアミドを軽減させる様々な研究成果が発表されています。そこで、今回は「アクリルアミド」について調べてみたいと思います。

◆どのような食品に含まれているの?
炭水化物を多く含む原材料を高温(120℃以上)で加熱調理した食品に含まれています。例えば、ポテトチップス、フライドポテトなど、じゃがいもを揚げたスナックや、ビスケットのように穀類を原材料とする焼き菓子などに、高濃度に含まれていることが報告されています。 また、市販の加工食品だけではありません。アクリルアミドができる仕組みには食品の加熱が関係しており、家庭で食品を調理した場合にも、その材料や方法によってはアクリルアミドが生成します。例えば、野菜の素揚げや炒めもの、手作りの焼き菓子やトーストしたパンにも、アクリルアミドが含まれています。

◆どのようにしてできるの?
食品中でアクリルアミドができる主な原因は、原材料に含まれているある特定のアミノ酸と糖類が、揚げる、焼く、焙るなどの調理中の高温での加熱(120℃以上)により化学反応を起こすためと考えられています。特に、水分含有量の少ない食品を加熱すると、アクリルアミドができやすくなるとされています。

◆減らすためにはどうすれば??
1.適切な原材料を選択すること!!
加熱によってアクリルアミドに変化する食品成分の含有量は、野菜や穀物の種類によって異なります。また、作物の品種によってもそれらの含有量が異なります。そのため、アクリルアミドに変化する食品成分が少ない原材料を選ぶと、加熱したときにできるアクリルアミドを少なくできる可能性があります。また、アクリルアミドができやすい食品として知られているじゃがいもは、低温で保存するとアクリルアミドができる原因となる食品成分のひとつである糖類が増えるので、高温調理するじゃがいもは低温で長期貯蔵することを避けましょう。
このように、適切な品種を選択することや適切に保存された原材料を使用することで、アクリルアミドを低減できる可能性があります。

2.調理加工条件、特に加熱条件を見直すこと
アクリルアミドは、食品を高温で加熱することによってできるため、加熱時間、加熱温度を検討し、最適な条件を設定します。「焼く」,「揚げる」,「炒める」,「焙る」などの方法では,できやすいのですが,「煮る」,「茹でる」などの方法では,アクリルアミドができにくいことが知られています。アクリルアミドは,食品中の水分が少なく,かつ,高温で加熱した場合に最もできやすくなりますので、食品を加熱しすぎないことが何よりも重要です。また、調理するときの食品の大きさや形状は、加熱時における食品内部の温度上昇に影響します。食品を加熱前に水にさらしておくことや下ゆですることは、食品の水分含有量を増やし、アクリルアミドの原因となる水溶性の食品成分の量を減らす効果があります。

偏った食生活にならないように気をつけることによって、アクリルアミドのとり過ぎを防ぐこともできます。揚げ物や脂肪の多い食品の摂取を控え、野菜や果物を多く含む食品をバランス良く食べるよう心がけましょう!!

出典:農林水産省HPより抜粋