お知らせ

vol.36　衛生管理のための調理施設の構造と設備

2000/04/28 アーテック倶楽部ニュース

連載★ HACCPこわい!?食品安全再点検★

先回の後半から、学校給食について連載しております。

「調理施設は衛生管理を行いやすい構造・設備とすること」—-

『三訂：学校給食における食中毒防止の手引』は、日本体育・学校健康センターから全国の給食センター、単独校等の事業所に配布されている冊子で、学校給食の「食品安全」を守るための言わば「教科書」です。初版は、10年前ですが、現在の最新版はHACCP手法を参考に再編集されたものです。

早急に整備を図ることが必要な事項
食品保管庫は、食品の搬入・搬出に当たって、調理室を経由しない構造と、配置とするとともに、適切な温度及び湿度管理がなされ、衛生面に配慮した構造であること。
調理室内は、下の表の「汚染作業区域と非汚染作業区域の区分の基準」により明確に区分けし、床の色分け、衝立の設置等により作業動線が明確になるように工夫し、これらの区域の交流を少なくした配置であること。
調理室内等への出入口には、エアカーテン、エアシャワーを備えること。
給水栓（蛇口）は、直接手指を触れない給水・給湯方式（レバー式、足踏み式、自動式）であること。
配膳室は食品等に外部からの異物が混入するのを防ぐため、廊下等と明確に区分されていること。
学校給食従事者専用手洗施設は、衛生的であるとともに、使いやすい位置にあること。
また、出入口や便所、作業途中、作業区分ごとに手指の洗浄・消毒を行うための施設または機器を適所に設けていること。
履き物の消毒設備（履き物の交換が困難な場合に限る）は、各作業区域の入り口手前に設置すること。
床面に水を使用する場合は、適当な勾配（100分の2程度）及び排水溝（100分の2～4程度の勾配を有するもの）を設けるなど、排水が容易に行える構造であること。
排水溝は、詰まりや逆流がおきにくい構造・配置であること。
また、日常的に洗浄が行える構造であること。
廃棄物の保管場所は、調理室外の適切な場所に設け、廃棄物専用の容器を備えていること。
学校給食従事者専用の便所は（出入口の扉は自動ドア、便器は自動洗浄装置付きが、より望ましい）は調理室から直接出入り出来ない構造とすること。
また、専用の手洗設備及び履き物を備えること。
学校食堂・ランチルームには、児童生徒用の手洗設備を設け、さらに手指の消毒を行うための器具を設けていること。
現状の学校給食現場と比べますと、大きな開きのある部分もありますが、タイムリーな学校給食従事者の関心時が、ここに集約されているのではないでしょうか？

※文中にてアンダーラインを付けた用語・機器に関するお問い合わせは事務局までお寄せください。
（参考資料：三訂／学校給食における食中毒防止の手引／日本体育・学校健康センター発行 ）

表「汚染作業区域と非汚染作業区域の区分の基準」

当院での状況

床・機器消毒に用いる消毒剤は、次亜塩素酸ナトリウムではなく第４級アンモニウム塩を使用しており、現在の処、手指の荒れは認められません。(一部略)
（須磨浦病院・栄養科・松岡良平科長様）

次亜塩素酸ナトリウムでは無く、ジクロロイソシアヌール酸を主成分とした消毒剤を使っています。以前はジアンを使用しておりましたが、これに変えて手荒れの問題は改善され、菌数も激減いたしました。
（乳製品製造・匿名希望・男性様）

情報を頂いた全ての会員様、ありがとうございました。中でも興味深いものについて左記に紹介させて頂きました。
事務局では、もう少し次亜塩素酸ナトリウムに皆様からの情報を頂き、実際に皆様がどんなメーカーのどんな商品を購入したら有効なのかという処までまとめあげたいと計画しております。
よって、前回の質問に加えて以下の用紙にて、継続して情報を皆様から募集いたします。今回はアンケート形式に致しましたのでよろしくお願い申し上げます。

アーテック倶楽部事務局行き（ＦＡＸ：0564－51－3737）

会員コラボレーション発言用紙(36号)
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