お知らせ

vol.30 厨房の臭いについて

2000/01/14 アーテック倶楽部ニュース

「新年、明けましておめでとうございます。本年も会員の皆様と共に、食品安全の啓蒙活動に励んで行きたいと思います。宜しくご指導、ご鞭撻の程、お願い申し上げます。」

連載★ HACCPこわい!?食品安全再点検★

今回は「厨房臭の防止」の解説です。

朝、厨房に入るとプーンといやな臭いに出会ったことはないでしょうか?

厨房臭が強いのは、掃除の不徹底が原因で、そこを締め切って帰るから、朝、臭いが充満しているわけです。特に、夏は気温が高いのでますます強く臭います。

よって、以下の事を注意すれば衛生害虫もよりつかなくなり、細菌の汚染源も断つことができます。ただし、ドライ厨房は除いていますので、そのつもりで読んで下さい。

1.残菜入れ容器の臭いの防止

残菜を捨てる時以外は蓋をきちんとしておく習慣(規則?)をつけましょう。また、古くなって歪んだりひび割れした容器は速やかに新しいものと交換し、交換する時に注意すべきことは、一日分の残菜を入れても少し余裕のある容量の容器を選んでおくことです。洗浄消毒については以前に解説しましたので、ここでは省きます。

2.排水溝の臭いの防止

排水溝の傾斜が緩やかな場合、残菜の小さい切り屑やカスが溜まります。また、床に調理中の切り屑を捨てる習慣はついていると、排水溝の蓋の桝目(つまり、グレーチングです。)の間に踏みつけたカスやごはん粒がついて、極端に汚いところでは四角い桝目が丸くなるほどこびりついてしまいます。

排水の悪い厨房では、排水溝も毎日1回は掃除をする必要があります。

排水の良好な厨房でも、週1回は大掃除をしましょう。曲がり角は特にていねいに、排水溝の蓋は裏側もきれいにすることが大切です。

せっかく排水溝をきれいにしても、トラップ(流した排水が一時的に止まって大きい残滓をろ過するところ)が汚くては何にもなりません。トラップの中とゴミを受けるストレーナー(金網カゴ)も忘れずに掃除してください。

トラップが大きくて毎日の掃除が大変な場合は、次亜塩素酸ナトリウムの原液を200ccくらい入れて帰ると厨房臭の防止と殺菌が同時にできます。しかし、せっかく使う次亜塩素酸ナトリウムならば床から流して床の殺菌も同時に行うようにすれば一挙両得になります。

3.モップ、雑きん、箒(ホウキ)の臭いの防止

これ、そのうちに「掃除道具の衛生」と題して別の機会に解説します。

4.揚げ油、揚げカスの臭いの防止

使いかけの油や、揚げカスは臭いの他に火災の恐れもあります。保管は容器の蓋を必ず閉めて「酸素」と「臭い」を遮断しておきましょう。

大きな容器に保管しないこと、廃油は溜めないで早めに処分することが大切です。

5.戸棚や壁の臭いの防止

戸棚や壁に臭いが染み付くころには、汚れもかなり目立ち、ゴキブリも発生していることでしょう。毎日はもちろん無理ですが、定期的に消毒液を染み込ませたダスターで拭き掃除をしましょう。

6.冷蔵庫・食品庫の臭いの防止

冷蔵庫内は週1回逆性せっけんで消毒していれば、臭いは付かないはずです。

食品庫は消毒は出来ませんので、通風を良好にしておくこと、帰る時に換気扇を止めないで帰ることを心がけましょう。

(参考資料:食品衛生早わかり/牧野権一著/柴田書店刊 )

2000/1/28号につづく