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vol.28 食品庫の管理について!その3

1999/12/10 アーテック倶楽部ニュース

連載★ HACCPこわい!?食品安全再点検★
今回も「食品庫の管理」の解説です。
「食品庫の管理III」

☆今回は、食品庫を使う上で、決めておくべき事項や、注意点についての解説の続きです。☆

5.衛生害虫が入らないようにすること!

1)開け放しにしておいた入り口や、換気孔から、ねずみやゴキブリが入って来ます。

2)ゴキブリの卵は野菜や他の食品にもついて来て、倉庫の中で発生するわけですから、定期的な駆除は絶対に必要です。

3)食材を入れた容器の蓋を取ったままにしておいたり、不潔にしておくと匂いがする。不潔でなくても食品の匂いがするとハエが飛んで来ますから、入り口は網戸を必ず閉めておいて下さい。時々見回って器具の裏や倉庫の奥を懐中電灯で照らし、夜間にねずみが出ていないか?ねずみの入り口などが作られていないか気をつけるようにしてください。

4)中のカツオブシがねずみに汚染されていたおにぎりによる中毒などは食品庫の管理が良ければ起きることはありません。

6.温度、湿度、通風、照明を適正に!

よく乾物と言われますけど、乾物とは水分が約20%以下の食品のことを言います。
よって、外からの水分を吸収しやすいという特徴があります。
厨房の床の水が流れ込んだり、換気が悪く湿気の溜まり易い食品庫は早急に改善しないと、食品の傷みが早くなります。

食品庫は、直射日光があまり入らない方が温度が上昇しないので良いわけですが、通風は良い方が、理想的です。

窓に網戸を付けて開ける、換気扇をいつも回しておく、しのび返しを付ける等、設備的に工夫が必要です。

つまり、食品が傷まない設備と、衛生害虫が入って来ないように締め切ることとは、矛盾していることが難しく、面倒です。

よって、その点から考えると、手を使わないで開けられるドアが良いでしょう。

また、暗いと汚れに対して鈍感になり、ゴキブリが出ても気がつかないこととなりますので、照明は150ルクス以上は必要です。

指定場所をきちんと守れない人は厳重に注意・指導するという毅然たる態度が必要です。

7.棚は金属製に!

木製の棚は湿気を呼び易く、汚れがこびり付き易いものです。

金属製で棚の巾を自由に調節出来るものが販売されています。価格は割高になりますが、壁にコの字型の作り付けの棚より収納スペースが広げられ、取り出し易く、清掃も能率的にできます。

食品庫の衛生管理が、在庫管理とつながっていることを、調理するひとたちも強く認識して入庫・出庫の検査記録、計量するシステムとを確立して管理してゆくことが大切です。

(参考資料:食品衛生早わかり/牧野権一著/柴田書店刊 )

12/24号につづく