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vol.312 ヒスタミン食中毒について

2016/02/19 アーテック倶楽部ニュース

2月に入り、寒かったり、暖かかったりと気温が安定しませんが、体調を崩されてはいませんか?私の住んでいる市でも小学校で学級閉鎖になったりとインフルエンザが流行しているようです。沢山食べて栄養をとり、沢山寝てしっかりと休んで、風邪をよせつけないようにしましょうね!!


ヒスタミン食中毒について

今年に入り、2件ほど「ヒスタミン」を原因とする集団食中毒が発生しています。大体の食中毒の原因菌やウイルスはしっかりと加熱することで防げる食中毒なのですが、この「ヒスタミン」は加熱をしっかりしても減る事はありません。今回はすこしやっかいな「ヒスタミン食中毒」についていろいろ調べてみました。

○ヒスタミンって何??

赤身魚に多く含まれるヒスチジンという物質が20℃~25℃以上の不適切な温度で保存した場合、ヒスタミン産生菌が産生する酵素の働きで、ヒスタミンになり、魚肉中に蓄積します。ヒスタミンとして100ミリグラム以上食べると、食中毒を発症するとされています。 最近の研究から低温増殖性ヒスタミン産生菌は、5~10℃条件下でもヒスタミンを産生することが明らかにされています。一度産生されたヒスタミンは、加熱によっても分解されません。

○ヒスチジンを多く含む食材は??

カジキ、マグロ、カツオ、サバ、サンマ、イワシ、アジなどの赤身魚及びその加工品等に多く含まれています。また、海外では、ワインやチーズなどでも食中毒が発生しています。

○症状は??

喫食後30分から1時間で、顔面紅潮(特に口のまわりや耳たぶが紅潮)、じんま疹、頭痛、発熱等アレルギーの様な症状を呈しますが、概ね6時間から10時間で回復します。

○予防法は??

ヒスタミン食中毒の予防法としてまず重要なのが、食材を保存する時の温度です。およそ、10℃以下が適温だと言われています。
冷凍保存ですと、ヒスタミンが増殖するのを防ぐことができます。しかし、すでに増えたヒスタミンは無くなりませんので注意が必要です。そのため、信頼のおける業者から購入し、時々で良いので、納入業者にヒスタミンの検査成績をもらっても良いでしょう。また、鮮魚に比べ加工品は加工工程で人手や時間を費やし、施設環境との接触も多く、これらがヒスタミン産生菌の汚染率と汚染菌数を高める要因となっているものと考えられます。

ヒスタミンは腐敗により産生されるアンモニア等と違い、外観の変化や悪臭を伴わないため、食品を食べる前に汚染を感知することは非常に困難です。ヒスタミンが大量にできて含まれていると、食べたときに舌にピリピリと痺れるような感覚が出る事があります。香辛料によるものでなければ、食べるのをやめてください。