みんなの知恵袋
これまでアーテックにご相談いただいた中から、広く他の施設様でもお役にたつだろうものをピックアップして掲載しています。
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カンピロバクターとは
【特徴】
カンピロパクター属は現在15菌種に分類されており、家畜、家禽、ペット、野生動物、野鳥等あらゆる動物に分布しています。牛の場合は数~40%、またトリの保菌率は高く50~80%で、そのほとんどがカンピロバクター・ジェジュニ(以下C.ジェジュニと記す。)です。プ夕においては、C.ジェジュニよりC.コリが高い確率で検出されます。
家畜や家禽が高率にこの菌を保菌しているため、とちく場、食肉処理場、食肉販売業での処理過程でも相互汚染により、市販生肉に汚染が見らます。
カンピロパクターによる食中毒は1989~1996年において年間20~40件発生していて、この食中毒は、飲用水の細菌汚染が原因となった場合、大規模な事件となることが多いいわれています。なお、本菌の食中毒発症に必要な菌数は100個前後です。
この菌は、らせん状をしたグラム陰性の細菌で、好気的には発育しないし、嫌気的にもほとんど発育せず、30℃以下で増殖しません。酸素が3~15%程度含まれる微好気的条件で良く発育し、酸素に暴露されると急速に死滅します。
【症状】
潜伏時間は、2~7日(平均2~3日)で潜伏期間が長いのが特徴
腹痛、下痢、発熱が主症状で通常、発熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛等の前駆症状があり、次いで吐き気、腹痛が見られます。前駆症状の後、数時間から2日後に下痢症状が現れ、下痢は1日10回以上に及び、1~3日続きます。腹痛は下痢よりも長期間継続し、発熱は38℃以下が普通です。
【予防法】
- 熱や乾燥に弱いので、調理器具は使用後に良く洗浄し、熱湯消毒・乾燥すること。
- 加熱不十分な食肉やその臓器あるいは食肉等の生食を避けること。
- 食肉からサラダ等への二次汚染を防ぐため、以下の点に気をつけること。
(1) 生肉を取り扱う調理台と完成した料理を置く調理台を離して設置すること。
(2) 生肉を取り扱った後は、十分に手指を洗浄すること。
(3) 盛りつけ作業には、使い捨て手袋を使用すること。
(4) 相互汚染を防止するため生肉は専用の蓋付きの容器に入れるかラップを掛けること。 - 未殺菌の飲料水、野生動物の糞等で汚染された貯水槽水・井戸水・沢水を飲まない。必ず塩素消毒や煮沸消毒をすること。
- 未殺菌の牛乳を飲まないこと。
- 小児ではイヌやネコなどペットからの感染に注意すること。
- ビルやマンションの貯水槽は周辺を清潔にし、野鳥などの糞が入らないよう衛生管理に注意すること。