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vol.13 次亜塩素酸ナトリウム消毒とは!その3

1998/10/09 アーテック倶楽部ニュース

連載★ HACCPこわい!?食品安全再点検★
「次亜塩素酸ナトリウムによる消毒:その注意点」のつづきです。

10年程前の食品衛生の本には、「次亜塩素酸ナトリウムは手指消毒にも有効」と表記しているものがあり(確かに、使いはじめは消毒効果が認められます。)ますが、前出の理由により、これは正しくありません。
どうでしょうか?
そう!やっぱり、器具でも手指でも「始めに洗浄ありき」なのです。
そこで、今回のポイントは「殺菌効果を最大限に確保するためには、前段階に充分な洗浄を行うことが大切である。」となるわけです。このことは、今後続けて解説する「アルコール消毒」にしても「逆性せっけん」にしても全く同じです。

「次亜塩素酸ナトリウムによる消毒:まとめ 」

次亜塩素酸ナトリウムの使用基準
次亜塩素酸ナトリウムの具体的使用例も兼ねて、今までの解説内容のポイントとした部分をまとめてみました。尚、使用最適温度の設定は、殺菌剤の殺菌力の検定試験が20℃で行われることと、殺菌作用が化学反応であり、一般に温度が高いほど殺菌力が強くなることを根拠として独自に行いました。次亜塩素酸ナトリウムの重要な使用条件としてご理解下さい。

消毒用途希釈濃度実施基準使用最適水温
野菜・果物100PPM3~5分浸す20~25℃
食器・調理器具200PPM3~5分浸す20~25℃
食器:漂白含む200PPM1時間以上か1晩浸し、後、流水ですすぐ。20~25℃
まな板:漂白含む200PPM1時間以上か1晩浸し、後、流水ですすぐ。20~25℃
ふきん:漂白含む200PPM1時間以上か1晩浸し、後、流水ですすぐ。20~25℃
タオル:漂白含む200PPM1時間以上か1晩浸し、後、流水ですすぐ。20~25℃
床(病原菌汚染物)500~1000PPM床の隅まで静かに流す。保菌者発生時の床の消毒。20~25℃

また、上表の前提条件として充分な洗浄が行われていなければなりません。
二次汚染にからめて「消毒方法」の解説を続けていますが、ここに来て「洗浄」の大切さを痛感しています。どうも「洗浄」も奥が深いようです。よって、次回あたりからは「洗浄」についてHACCPの見地から掘り下げて解説して行きたいと考えています。

次回は「逆性せっけんによる消毒」の解説です。

これ、汚れを落とすことのできない「せっけん」だって知っていました?

10/23号につづく