お知らせ

vol.21 洗剤について!その2

1999/08/27 アーテック倶楽部ニュース

連載★ HACCPこわい!?食品安全再点検★
「洗浄:洗剤」

(1)油汚れ専用合成洗剤

油のこびり付きなど、がんこな汚れに対しての洗浄力を強化するために有機溶剤(有機物を溶かす性質のあるもの)を配合した強洗剤です。

レンジ、オーブン、フード、排気フィルターなどに用いますが、使用時の注意点として、必ずキッチン手袋を着用することが必要です。

簡単にできる中性洗剤の残留度検査

これは、洗浄した食器に、どの程度の中性洗剤が残っているか、つまり、すすぎが完全にできているかを調べることのできる簡易テストです。
実験名:メチレンブルーによる定性法
試 薬:0.2%メチレンブルー溶液、クロロホルム
器 具:試験管
検査方法:試料となる食器に水または湯を入れ、適当にかき回して、その溶液を5ミリリットル試験管(無ければ透明な容器、コップや空びんで良いです。)にいれて下さい。
この液にメチレンブルー溶液5ミリリットルとクロロホルム1ミリリットルを加えて、よく振り混ぜて放置してください。
陰イオン界面活性剤が存在した場合(中性洗剤が残留していた場合)、クロロホルム層は青色を呈します。
水道水を上記の通りの手順で検査し、比較してみると結果が確認しやすくなります。

注意点

a)クロロホルムは燃え易いので、火に近づけたり、検査中にそばでタバコを吸ったりしないこと。
b)クロロホルムはすぐ蒸発するので、ビンの蓋をしっかり締め、早めに使い切ってしまうこと。

検査結果例

食器類水ですすいだ時湯(30℃)ですすいだ時
ライス皿薄い青色ナシ
ミート皿青色薄い青色
ラーメンどんぶり薄い青色ナシ
うどんどんぶりナシナシ
カレー皿薄い青色ナシ
湯飲みナシナシ

上記表をみるとすぐに解りますように、脂肪分の多い食品を盛った皿の方が洗剤の残留があり、温湯ですすぐより、水ですすぐ方が残留も多いという結果となりました。

この場合、すすぐ時に手でよく擦ることで改善しました。また、水道水のブランクテストで青色を呈さなかったことを確認した上での結果です。尚、水道水でも少し青色を呈する場合があります。

洗剤は、その性質や原料によって種類がありますが、良い洗剤の条件は以下の通りと言えましょう。
人体に安全であること。
洗浄力のあること。
安価であること。
使用法が簡単なこと。
腐食性の無いこと。

(参考資料:食品衛生早わかり/牧野権一著/柴田書店刊 )
8/27号につづく