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VOL.430「年始に想いを込める~おせちと黒豆に宿る「食の意味」~」

2025/12/17 アーテック倶楽部ニュース

年末が近づくと、厨房は一気に慌ただしくなります。
食品業界の私たちにとっては、一年でもっとも忙しい季節かもしれません。
クリスマスメニューに年末の仕込み、おせち料理づくりと、“特別な料理”が続く時期ですね。
とくにおせちは、健やかな一年を願う気持ちが込められた日本ならではの行事食です。
料理はもちろん、器や道具にも意味があり、例えば祝い箸という両端とも細くなった箸がよく使われます。
これは両端を人と神様がそれぞれ使うとされ、人と神をつなぐ役割を持つと伝えられています。
今回は、おせち料理の意味にあらためて着目し、あわせて現場で活かせる黒豆調理についてもご紹介いたします。

祝い三種とは

おせち料理の中でも象徴的なのが「祝い三種」です。
黒豆・数の子・もう一種を組み合わせる形が一般的で、関東では田作り、関西ではたたきごぼうとすることが多いです。

祝い三種に込められた意味(代表的な解釈)

黒豆数の子田作り(ごまめ)たたきごぼう
健康でまめに働けるように子孫繁栄五穀豊穣一家安泰

地域によって多少の違いはありますが、いずれも新しい一年の無事や繁栄を願う意味が込められています。

スチコンでつくる黒豆・仕上がり検証

黒豆は縁起物である一方、硬くなりやすく、しわが出やすいなど、扱いの難しさもある食材です。
そこでスチコンを使用して、黒豆調理の仕上がりを比較してみました。
豆をやわらかくしてから調味する方法と、調味液で戻してから加熱する方法を比べた結果、後者のほうが、ふっくらと艶のある仕上がりで味のなじみも良好でした。
現場での調理にも取り入れやすい方法のひとつとして、参考にしてみてください。

黒豆調理(目安)

材料・分量調理工程
黒豆 200g
〈調味液〉
水 1kg
砂糖 150g
醤油 大さじ2
塩 小さじ1/2
重曹 小さじ1
1.水と調味料を一度沸かす
2.黒豆を1/2ホテルパンに入れ、調味液で一晩浸す
3.コンビ140℃で2時間加熱
4.さらに一晩置いて味を含ませる
すっきりとした甘さに仕上がります。
甘さはお好みで調整してください。

食文化を守りながら、現場を支える

私たちアーテックは、こうした日本の食文化や行事食を守り、次へとつないでいくためにも、無理なく続けられる厨房環境づくりをサポートしています。
調理工程や作業環境、機器選定などで気になる点がございましたら、お気軽にご相談ください。
現場の状況に寄り添ったご提案をいたします。